クンニ

その夏、私の心は複雑な感情で満ちていた。18歳の女子高生にとって、この夏は人生を大きく変える経験になった。

セーラー服のスカートを翻し、自転車を立ち漕ぎして萌の家に急ぐ。足を踏み入れると、いつものレモンのルームフレグランス ...

美容系の専門学校に通っていた頃、古民家を改装した練馬のシェアハウスに住んでいた。ブロック塀で囲まれた中庭のある、ちょっとしたオアシスのような場所だった。

キッチンとお風呂は共同だったが、それぞれ広さの違う個室があり、私はそ ...

私は雨のなか、疲れ切った体で東京駅八重洲口に立ちつくしていた。出張で大阪に前乗りする日曜夕方、まちがって新幹線の出発3時間前に来てしまったのだ。今朝まで徹夜で資料作りをしたことが悔やまれる。あと数時間眠れていたら、アラサーのお疲れ肌も ...

夏の夜、空調の効いたオフィスは静寂に包まれていた。窓の外には、ぼんやりとした街の明かりが広がっている。かつては陸上で全国大会を目指した華々しい経験を持つ私だけど、今は渋谷の大手企業で働くただの25歳のOLだ。

誰もいなくな ...

冬の冷たい風が頬をなでる1月の夜、私はパソコンの画面に釘付けになっていた。何気なく覗いた掲示板の書き込みが、私の心を激しく揺さぶったのだ。

「東京に待ち合わせができる映画館があるか知りたいです。暗い館内で見知らぬ人と楽しみ ...

自分史上最高の感度アップへ

真夏のある日、新宿のホテルで長時間に及ぶ研修を終えた私は、疲れた体を癒すため、ルーフトップバーへと足を運んだ。